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中国について
一口に「中国語」と言っても中国は広大な国、お互いの意思疎通がほとんど不可能なほどに異なる方言が存在する。方言は主に七、八つに分類されていて、良く知られている広東語、上海語などは、その下位分類に過ぎない。私達日本人が一般的に「中国語」と呼ぶ言葉は、中国全土における共通語を指し、中国では「普通語」と呼ばれている。普通語は北京語をベースに作られた言葉で、これを介した教育、メディアなどが中国全土に普及しているため、勉強しておけば中国のどこへ行っても通じるありがたい言葉である。よく北京語=中国語(普通語)と思っている人も多いようだが、厳密に言えば北京語は中国の一つの地域語で、語尾が巻き舌音になるなどの相違点があり、両者は同一ではない。それでは以下に普通語を便宜上「中国語」と記し、その特徴について簡潔に述べていく。

文字と文法

文字はもちろん、日本人になじみの深い漢字である。そのため、中国語を勉強した事のない人でも読んでみればなんとなく意味がわかってしまう事が多い。例えば、以下に示す1はどのような意味だろうか?

1、我喜歓足球.

正解は「私はサッカーが好き」という意味で、大体の人が推測できたのではないだろうか。語順は英語と同じく主語、述語、目的語の順が基本である。副詞は基本的には動詞の前に(以下2参照)、名詞を修飾する語は名詞の前におかれる(3参照)。

2、他很喜歓足球.(彼はサッカーがとても好きだ。)

3、田中老師喜歓日本足球.(田中先生は日本のサッカーが好きだ。)

1,2,3をみてお気づきの方もいると思うが、中国語は、英語のように主語によって動詞が活用する性質をもたない。したがって、学習をはじめて間もない時期でも、前述した語順にしたがって覚えた単語を羅列すれば、それなりの発話はできる事になる。もちろん、この他にも「介詞」と呼ばれる、英語で言えば前置詞のような働きをもつ語も登場するなど、ややこしくしようとすればいくらでも複雑になるが、とりあえず初期段階であれば、単純に言って単純に通じる文法を楽しめばいいのではないだろうか。

文字表記に関しては、中国では1955年の異体字の整理からはじまり、80年代までに何度か改定され、簡易化されたものが現在使われている。今回例文として挙げている文章は日本人が使用する漢字表記を用いたが、例えば1,2,3で示した「歓」は中国大陸では「ヌ欠」と表記されるなど、異なるものも多い。また、1958年から中国政府は、「ピンイン」と呼ばれるアルファベット表記を制定した。ピンインは日本語で言えば漢字の読み仮名の役割を持ち、初めて文字に触れる中国人の子供や、また中国語学習者はこのピンインに頼って中国語を学ぶ事になる。

発音

以上、「なんか中国語って楽そう」と思えるような楽観的側面を紹介してきたが、日本人学習者が最初に遭遇する壁は発音であると言えるだろう。中国語はタイ語、ベトナム語などと同様に、声調を有する言語である。日本語では,「はし」のイントネーションが異なると「箸」と「橋」の違う意味になるが、中国語は一語一語の発音に、意味を規定するイントネーションを伴うのである。しかも、そのイントネーションは、代表的なもので四種類もある。

ピンイン表記によって例を挙げると、MA という発音は声調によって以下のような意味と表記を持つ。(*残念な事に当HPソフトでは母音の上に付くイントネーション符号を正しく表記することができないので( )で表現する。)

ピンイン表記
声調
声調の特徴
漢字表記
意味
MA(-)
(第一声)
間延びした高い音
拭う、拭く
MA(/)
(第二声)
イントネーションが尻上り
アサ
MA(V)
(第三声)
ため息をつくように低く
ウマ
MA(\)
(第四声)
イントネーションは一気に上から下へ
ののしる


これら一つ一つの声調を組み合わせてはじめて、文や単語が発話されるわけで、正確な発音はかなり難しいだろう。しかし、一語一語注意深く発音するよりも、ある程度まとまりを持った文全体のイントネーションを、音楽を身につける感覚でマスターしていった方が楽しく学習できるのではないだろうか。事実、中国語に慣れてくるとこの声調はとても美しく、学習の大きな魅力の一つとなるだろう。

中国語の発音の難しさは声調だけではなく、子音の発音の複雑さにもある。子音は語頭にくるもので21あり、巻き舌音、有気音、無気音の対立など日本人にとって発音が困難なものが多い。英語の、[r]の音で悩まされた方も多いと思うが、中国語の巻き舌音はなんと4種類もある。また、日本人には「スリッパ」の「パ」と「パン」の「パ」の発音は同じに聞こえるが、中国語ではこの二つの音は全く違う音である。中国語を正確に聞き分け、発音するにはこのようにいくつかの難関をクリアしなければならないだろう。

語彙

「愛人」ときいてドキッとする日本人は多いだろうが、中国語では妻という意味になる。このように日本語と中国語で、同じ漢字でも意味が異なる言葉はたくさんある。「手紙」は中国語ではトイレットペーパーの意味があるし、「先生」は、男性への敬称で~さんという意味になる。似ているからといって、日本語をそのまま転移させてばかりいてはコミュニケーションに大きな支障をきたすことも考えられなくはない。

以上、中国語について簡潔に述べてきたが、この言葉を習得する最大の喜びは、最低でも11億もの人々とのコミュニケーションが可能となるところにあるのではないだろうか。また、中国本土、台湾に限らず全世界に中国人は散らばっている。筆者も東南アジアを旅行した時に中国語を使う機会に多く遭遇し、改めて中華圏の広がりというものを実感した。その時に語った内容や親切にしてもらった事の記憶は、とても大切な財産になっている。中国語は、自分の世界を広げる絶好の機会を私達に与えてくれる言葉である、として本文を終わりにしたい。