マレーシア語は、現地でBM(Bahasa Malaysia :バハサマレーシア)と呼ばれるマレーシアの国語です。日本人にとってマレー語は、世界で最も簡単だと言われています。英語やフランス語と違って発音はアルファベットをローマ字風に読んで、カタカナでも記述しやすいし、文法も簡単です。
 
マレーシアは、1957年8月31日にマラヤ連邦としてイギリスから独立し、1963年にマレーシア連邦となりました。後に1965年、シンガポールが独立したため、現在は、マラヤ半島の11州、ボルネオ島のサバ、サラワクの2州、計13州および連邦直轄地からなる連邦国家となっています。これらの州のうち、マラヤ半島の9州にはマレーシア建国以前からその地を治めてきたスルタンがいて、5年ごとに交代で国王を務めています。
 
この国王のもと、立憲君主制をとっており、内閣が連邦政府を運営しています。 総面積は日本のほぼ90%にあたり、北緯3度前後に位置します。海洋性熱帯雨林気候に属しますが、日本の夏と比較して極端に暑いと感じることはありません。 マラヤ半島には様々な民族が入ってきましたが、特にイギリス統治時代に多くのインド系住民や華人が入り、複合民族国家となっています。
 
宗教の面 では、マレー系のイスラム教、インド系のヒンズー教、華人の仏教、ボルネオ島の先住民族等の信仰するキリスト教、アニミズムなどがあります。言語はマレー語、タミル語、様々な中国語、先住民族の諸言語、英語などが話されています。かつては民族間の衝突なども見られましたが、現在は経済的にも豊かになり、植民地時代の影響で経済的に弱い立場にあるマレー系を優遇しようという政府のブミプトラ政策もほぼ受け入れられ、表立った民族間の衝突は見られなくなりました。多様な民族が平和裏に共存していこうという工夫は、学校制度や言語政策など、社会の様々なところに見られます。